ラジオナイター本当に新時代!2018年のラジオナイター中継を考察する(part1)~前史編~
最後の中継ではっきり示唆
始まりは週刊ポストセブンの記事からだった。
週刊誌の信ぴょう性は大なり小なりあるが、この記事の信ぴょう性が高いのは元TBSの松下賢次がコメントしたことだ。2017年9月29日のレギュラーシーズン最後のナイター中継で横浜DeNAvs阪神(横浜)で戸崎貴広が突然ナイターの歴史を語りだしたり、〆の言葉でいつもは言わないスタッフコメントを発表したのだ。
極めつけは日本シリーズ第6戦(11月4日:RKB制作)放送後のスタジオ担当土井敏之が最後のコメントに言葉が詰まったことだ。いつもなら「来年も中継します」というコメントが無かったからだ。
TBSラジオのスタジオ担当の土井アナも思うことがあったのだろうか言葉が詰まった挨拶だった。#tbsradio #ラジオ情報センター
— ペンギン(884) (@YS884super) November 4, 2017
その後正式にTBSラジオがラジオ中継撤退したと報道があった。(他紙も掲載済み)
と、いう感じでTBSラジオがナイター中継撤退したと公になったわけだ。因みに、TBS制作の野球中継が最後に流れたのは日本S第5戦(11月2日)だったのだが、非常にあっきれない幕切れだった。
大人の事情という負の遺産
TBSが消極的な姿勢(特に放送末期)が露骨に表れていたりしていたのも事実だ。よく北海道(HBC)や福岡(RKB)、一部名古屋(CBC)のリスナーから「大人の事情でヤクルト主催試合が無い!」とのコメントを見る。これも、TBSの犯した負の遺産である。
なぜ、このような放送事情が出来たのか。それは1977年に遡る。読売新聞が「読売新聞ニュース」を放送しないと巨人戦主催試合が出来ないからと言ったからだ。(詳しくはTBS50年史や山口放送三十年史など参照。)ラジオ関東(現・RFラジオ日本)が、読売新聞ニュース」を放送することで独占放送権を得たのだ。
地方からも「後楽園の試合が中継できないとはどういう事だ」という苦情が殺到し、営業の売り上げが落ちた。しびれを切らしたTBSが読売新聞とRFにお願いして巨人主催試合を中継する運びとなった。
これに激怒したのは言うまでも無くニッポン放送(LF)と文化放送(QR)だ。両局はフジサンケイグループの一角を担う放送局だが、読売以外のセチームの中継権を囲い込んだのだ。当然ながら抜け駆けを許さなかった2局はヤクルト主催試合、横浜大洋主催試合をLFとQRの独占中継権を獲得したのだ。
※横浜大洋→横浜主催試合がTBSやRFにも開放したのは読売のナベツネが「同じグループ会社が2球団も株を持っているのはマズい」という事でベイスターズになってから放映権が解放された。
1993年にLFとQRにも巨人主催試合が開放されたが、ナイターが撤退する最後までしこりが残ったままだった。
また、TBSが撤退したものもう一つ。多額なる巨人主催試合をRFに支払っていたことだ。当時の社長が「他局より3倍も高く支払っている」という発言があったのだ。これが事実だってか、巨人vsヤクルトor横浜or広島やハムやホークス以外のパリーグのカードに関しては全国ネットである火曜だけ放送して水曜~金曜を横浜や甲子園、ナゴドから中継する傾向が強かった。
こうした状況の中、2010年にTBSが土日からのナイター中継撤退した。当然ながら、神宮が唯一のナイター中継やっていたらTBSでは上記の事情でナイター中継できないから至極真っ当な事である。~つづく・敬称略~
在京局に振り回された地方局だが、対応がどうなったのか。それは次回の更新で記述します。因みにこの記事は日本S後に最終記事になりますのでそこそこ定期的にブログでアップします。次回は今週土日の予定です。このタイトルを見て薄々感じた人は熱狂的なラジオでのナイターファンです。