ペンギン読み切りブログ

長過ぎて伝えられなかった事をザッとブログで掲載する。不定期更新です。期待しないでください。

【ペンスポ】昭和最後の名勝負10.19 川崎球場の跡を訪ねる

1988年10月19日パは重大な転機を迎えた。

 V4が掛かった西武に迫ったのは近鉄だった。9月15日の次点で、首位西武と2位近鉄は6ゲーム差。10月4日、西武との直接対決を制した近鉄がマジック14を点灯させた。天候諸々中止とかがり、日本シリーズが22日に開幕と決定した中、7日から13日間15連戦(うち、2日がダブルヘッダー)。その最終戦、ロッテとの試合が川崎球場だった。

 15時に試合が第1戦が開始、4-3で近鉄が勝利。第2戦が18時44分に開始、当時あった4時間の壁に阻まれ4-4と引き分け。勝利の差で西武がV4を達成した。

 また、この日に重大な出来事があった。リクルート事件もさることながら、阪急がオリエントリースに身売りされることとなった。南海がダイエーに身売りされたのもこの年。昭和最後の名勝負を平成最後に訪問した。

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球場に入りきれなかった観客がマンションの屋上に登って見たハウスプラザ角倉

 15時30分、やや雨交じりの中無料球場ツアーが行われた。川崎球場は現在『富士通スタジアム川崎(川崎富士見球技場)』として、アメフト・サッカー専用球技場になっている。野球はもうできないが今も野球の香りが残っている。

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当時記者席があった場所。ここがバックネットだった。

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 外野(ライト)スタンド。つぎはぎしていたペンキの跡が剥げてきて当時の広告が露わになりつつある。1977年、当時大洋が本拠地だった時代、阪神の佐野がコンクリートむき出しのフェンスに直撃。ラバーフェンスに変わったきっかけとなった球場である。管理人曰く、川崎は雨や風の通り道なので劣化が早いとの事。

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 外野のフェンス。実はこのフェンスも継ぎ接ぎで黄色い線がある所はロッテが川崎移転後に設置したものだ。川崎球場は住宅地が近く、路駐していた車のフロントガラスが割れたりするなどいかに狭い球場だったのかを物語る。

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 当時のバックスクリーン。現在も現役で救急車もここから入る。アメフト・サッカーメインの球技場で数少ない野球のときから使われている場所だ。

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 現在もバリバリ現役の照明塔。この様なタイプの照明塔も日本全国見渡しても川崎だけだ。1954年築のこの照明塔、まだまだ戦後の混乱期だったので、このような造りになった模様。6基あった照明塔も現在は3基のみ。近々、取り壊すという話が出ており、日本プロ野球の遺産として残すべきだ。

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 当日限定でキッチンカーにて肉うどん(600円)が100杯限定で販売。甘辛の出汁が効いていて、懐かしい味というより沖縄~奄美~鹿児島航路の船内で食べたうどんを思い出すような味がした。因みに、この日は20時30分頃に完売。当方もこの後おかわりをした。

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 夜の川崎球場。下ではサッカーの川崎フロンターレユース(現在は関東プリンスL)が練習中。因みにこの高さ(4階)は当時のスタンドでもなかった高さだ。今でいう一塁側スタンドに当たる部分。

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 かわQホールで座談会という名の10.19を振り返る会。前の4人は阪急、ロッテ、近鉄日本ハムの応援団を務めた人がフリートーク形式で語らっていた。DVDと一部リアルタイムで実況した。因みに純パの会が進行担当していたが、予想以上に反して立ち見が多く、想定外の人数が来場。「前に詰めて、前に詰めて」とコメント。マンションの屋上から覗くように、窓の外からも覗くファンもいて、当時の熱気が伝わるかのような雰囲気を醸した。

 施設の都合上、22時でイベントが終了したがこのようなイベントを開催した、純パの会・川崎フロンターレなどに感謝しかない。昭和最後の名勝負から早30年。まもなく平成の世の終わりを告げる。近鉄バファローズを知る若者が減った中、果たしてこの名勝負を永久に語られるのか。新たな時代の息吹を感じながら川崎球場を後にした。

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